山の子(講)


門屋地区の男の子たちは一週間前から山の子の歌を歌いながら、米や野菜、藁、寸志などを集め 親方の家に泊まり、しめ縄を作ったり、どんど焼きをしたり、赤飯、けんちん汁を作り、山神様にお参りし、村の安全祈願をしてきた。

しかし、ここ数年、子供の減少とコロナ禍にあって、行事は縮小し、昨年は山神様の掃除のみとなっており、2022年は山の土砂崩れ防止の工事も重なり、存続自体が危ぶまれる中、自分に親方の役が回ってきたのであった、、、

前年から自分が次の親方役は分かっていたので、(自分は外から来てこの門屋地区に12年前に移住したので、山の子は未経験)地域の先輩に相談していた。かつて全盛期の山の子どもたちは 20〜30人 今年は6人 子供たちだけでは運営できない人数である。

 存続させていくにはかつての山の子の先輩方の協力が必要である。

門屋地区に住み始めた頃、まだ保育園児だった息子を地域のお兄さんたちが誘いに来てくれて、親方の家で男の子たちが集まって食べるご飯はとても美味しかったし、自分が育った団地ではこのような伝統行事はないので憧れもあった。

何より、地域の人たちが山神様を大事にしていることを知った。

かつてのようにはできなくとも簡略化しつつ山の子を行うことができた。

12月10日 

子供たちと地域の大人で山神様につけるしめ縄作りをしました。

子供たちは藁を叩き良い藁を選別していく。

どんど(焚き火)の用意をする。

子供たちはお供えする鰯と油揚を買い出しに、お酒を造り酒屋にもらいにいきました。

太いしめ縄と 藁船は 今年90歳になる先輩が、しめ縄用に育てた餅米を実がつく前に収穫し陰干した藁で作ってくれました。

 昔は、山の子で藁舟に入れた鰯と油揚を夜中、山神様のところに持っていくとキツネが山神様にお供えする前に取りにくることもあったそうで、戦後間もない頃の山の子の話も聞くことはとても興味深く貴重だと感じた。

山神さまのある山には今でもキツネが住んでいる

準備は整い、次の日の早朝6時からどんどに火をつけ行事の本番である。明日、晴れるかどうか予報は曇り、雨で焚き火ができるかどうか、不安だが、案じてもしょうがない、早く寝ることにした。

12月11日 朝6時15分

小雨が降りそうでしたがどんどに火をつけることができた。

山の子の歌を先輩たちと一緒に歌う かつての山の子 今は還暦を迎えた先輩が、子供たちを集め、「昔はな、集まって最後はすき焼きをやってな、だんだん上級生になるといい肉を食べれるようになるんや、、今は子供が少なくなったけど、山神さまは大事にしてってもらわんとな、、、」男の子たちは真剣に話を聞いた

 

山神さまは女の神様であるため、男子のみで山に入るのがしきたりとなっている。

しめ縄とお供えする御神酒、塩、米、鰯、油揚の入った藁舟を持って山神さま(岩)のある山に入っていく ちょうどその頃赤い朝陽が山に差し込んできてとても美しい


2023年〜の山の子がまた続けられるようになるにはまだまだ課題は山盛りではあるが 山の子 を 執り行なうことができました。

2022年12月10日・11日 

メルチデザイン

MELCHI DESIGNS TSUZUKU MASAKI