1996〜1997 アルトサックス

最後の言葉は思い出せないが、寒空に浮かぶメロンみたいな月に照らされた雲が

流れるのを見ていた。ぽっかり穴が開くってこうゆうことかと知った。

恋はいつだって仕事や人生と分けることができない 

90年代20代の僕は

もう一度、ニューヨークへ行こうと思った。(高卒の春休み初めての海外旅行一人旅) 

 

道端でアルトサックスを吹く日本人がいた。

メロディーがあるのか無いのか壊れかけた懐かしい童謡みたいだった。

マンハッタン85Wのアパートの止まりそうなエレベーターで昼間の演奏家と再会した。

「東に出たらニューヨークに着いた」と言っていた。


 彼はビバップを演奏する 夜になるとセッションに出かけて行っては悔しがって帰ってくるのだが、ラジオから流れるジャズに合わせてのギター弾き真似する僕に「スムース!」と、褒めてくれるだった。「お前がこっちで服発表する時は一番カッコええやつ吹いたるでな」と言ってくれた。


※写真は当時NYに住んでいた友人が後日送ってくれた東さん